永久の誓い〜エピローグ〜















まだ人々が眠りについている、うっすらと空が明るくなるそんな時間

何も言わなくても、これからするべき事は解っていた

向かい合ったまま、静かに見つめ合ったまま、お互い両手を合わせる。小さく音が鳴る

ゆっくりと顔を近づけて、そっとキスを交わすと、そのまま互いの手と手を合わせた







始まる儀式







二人の姿が一瞬揺らぐと、その足元から崩れてゆく

サラサラと粉のように


それは二人でやる最初で最後の錬成。分解されてゆく体

真理を得た二人だからこそ出来る錬成








そうして二人の姿は、世界から消滅した
















ーねえ、兄さん

僕達が世界から消えてなくなっても

僕達の体は分解して粉々になって、そうして全てに溶けて残るんだ

風に、水に、木々に、森に、大地に

僕らの想いをそのままに




ーああ、アル。こうして俺達は本当に一つになれたんだな

この懐かしいリゼンプールの大地で、二人ずっと離れずに

もう別れに怯えることもない









今度こそ永久にと誓おう。ずっと二人離れない事を



ずっとあなたを愛し続ける事を













リゼンプールの深い森の中

夜が明ける前に消えていった兄弟の事を

知るものは誰もいない


















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