「記憶喪失物が書きたい!」と衝動的に書き始めたこの話。 もともとプロットなどは作らず、いきなり話を書き始める人間なので、大体の流れとどういうラストになるかは決めていましたが、途中何が起こるか分からないと言う行き当たりばったりな連載でした。 数話書いた所でさすがに流れをちゃんと決めないと!と思いプロットもどきを作りましたが、それもあまり意味がなかったです。いい加減にも程があります。 一番書きたかったのは、記憶を失っても無くしてないものもあるんだ、という事。 アルの記憶は、錬成時に殆ど失っています。それは錬成の代価ではなく、門をあちら側から逆に通る為の通行料としてです。こちらから通る時に通行料が必要ならば、あちらにいるアルの体がこちらに戻るにも通行料が必要だと思うのです。(兄さんがこちらからアルの体を引っ張りだそうとするのとは別に) なのでアルの記憶は戻りません。全部を持っていかれたわけではないので、所々少しずつ思い出す事もあるのかもしれませんが、断片的な記憶でしかありません。 でもアルの記憶は無くなってしまいましたが、その記憶と共に育った兄さんへの想いまでは奪われていない、記憶を奪う事は出来ても、人の想いまでは例え神に等しい存在でも手は出せない。アルは一番大切な物は失わずにすんだのだと、そしてこれからまた兄と共に新しく生きていけるという事を書きたくて始めた話でした。 ちょっと長くなってしまい、自分でもビックリしましたが、最後まで書けて楽しかったです。 連載中、沢山メールや拍手で励まして下さったみなさま、どうもありがとうございました!! |