素直な時間
「…ん…。」
アルフォンスは身動ぎをして、寝返りをうつ。
が、それはアルフォンスの小さな身体を抱きしめている、エドワードを起こす結果を招いた。
ゆっくりと瞼を開いたエドワードの視界に、自分に背を向けて眠るアルフォンスが入ってきた。
そして外が暗い事を見て取って、まだ夜明け前だと認識する。
エドワードはアルフォンスが肩を出して寝ている様子を見て取ると、
少し微笑んでから腕を伸ばして布団を掛けてやる。
そっと掛けたつもりだったが、それでアルフォンスも目を覚ましてしまった。
「…?」
寝ぼけた眼差しで再び寝返りをうち、エドワードを視界に捉える。
それに気がついて、密やかに声を掛けた。
「悪い…起こしちまったか?」
「…ん…にい…さん…?」
自分がどうして目を覚ましてしまったのか判らないアルフォンスは、
何故エドワードに謝られたかも理解出来ずに兄を呼ぶ。
そして無意識のまま、ついさっきまで出していた肩から寒気を感じて、
自分同様、生まれたままの姿で眠るエドワードの温もりを求めて、子猫のように擦り寄った。
エドワードは背を向けていたアルフォンスが、再び自分の腕の中に帰って来た事が嬉しくて、柔らかく微笑む。
そして、愛しいその小さな身体をしっかりと腕に抱き寄せた。
「兄さん…。あったかいね…。」
寝起きの悪いアルフォンスは、寝ぼけている時が一番素直だ。
そしてそんなアルフォンスを見る事が出来るのはエドワードだけ。
抱き寄せる腕に力を込める。
「アルの方が温かいよ。」
「ん…。」
寝ぼけている素直なアルフォンスを前にすると、エドワードまで自分の気持ちに素直になれる。
それは少なからず驚いた事実であったが、そんな自分も少しだけ好きだった。
「まだ早いからな。…寝てて良いぞ。」
「ん…。」
アルフォンスは寝ぼけた頭でその言葉を聞く。
その口調はとても優しくて。
いつもこうだったら良いのにな、と思う。
だがその反面、優しいエドワードを知っているのは自分だけ、と言う事を嬉しく思っていた。
自分しか知らない、自分だけのエドワードを。
そんな事を考えながら、エドワードの温かい腕の中で、再び眠りの底に沈んでいく。
お互いだけが知っていれば良い。
ほんの少しの秘密事は、二人の距離を更に縮める。
「血縁」という、結ばれるには一番遠くにいたはずの二人。
けれど今は、一番近くにいる。
end
「やまさん7000HITおめでとうございますvv
これからも素敵な作品を沢山作って下さいねvv
ほんとに大好きです〜vv
大した物ではございませんが、「これからもよろしくねv」の意も込めまして(何)
献上品を持ってまいりました。少しでもお気に召して頂けたら幸いです。 うま」
という畏れ多くも、「Starry
Night」の管理人うまさんより
7000HIT超えのお祝いを戴いてしまいましたー!!
最初見た時は本当に我が目を疑いましたよ!
こんな風にお祝いしてもらえるなんて…、私凄く果報者です(感涙)
大した物ではないなんてとんでも無いです!私が最初うまさんに惚れ込んだ時まんまの
甘くて可愛い二人です!もお大好きー!!
これからもよろしくはマジで私の台詞です。先日宣言した通り、くっついて離れませんよ!?
本当の本当にありがとうございました!!!(大興奮中)