夕食後の片づけの最中。アルフォンスが洗った皿を布巾で拭きながら兄は唐突に言い出した
「それにしてもアル、お前があんな大胆な事をするとは思わなかったぞ」
「教室での事?」
「ああ。よかったのかよ、バラしちまって」
暫く秘密の仲ってのも良かったのになー、なんて兄の馬鹿な台詞は取り合えず無視して
「どうせいずれはバレるんなら、最初っからこっちからバラした方が清々するし。
それに僕らの事がわかれば、兄さんにあんな事言う人達も、僕に告白してくる子もいなくなるし一石二鳥だろ」
サラリとそんな事を言うアルフォンスに、兄は苦笑いする
「敵わねーな、アルには。兄ちゃん惚れ直しました」
そう言って頬に口付けすると、アルフォンスは何言ってるんだよ、と照れたように兄の足を蹴った