残されているもの 僕には生身の体がない 体がない魂だけの存在である僕が感じる事が出来るのものは極限られている 貴方の姿を見る事は出来る 貴方の声を聞く事は出来る だけど 触れ合った感触 体温 そんな生きていたら当然の感覚さえ、今の僕にはない 貴方に触れていても、本当に触れている訳ではない 貴方に触れているのは冷たくて無機質な鉄の塊 よく人は愛の言葉を囁く時 「神に誓って」とか「この命の限り愛す」とか言うけれど 僕には信じている神様なんていないし 限りある命すらないんだ でもだけど 人から見たら、とても生きているとは言えないかも知れない僕だけど それでも 貴方を恋しいと、愛しいと想うのです だから たったひとつだけ僕に残されているもの 貴方がこの世界に引き戻してくれたもの 貴方の血印によって繋がれた魂ひとつを 貴方を愛している証に捧げます |